世界ナンバー1の取引所が今年も勢いを落とすことなく幸先の良いスタートを切っている。
イギリス王室属領Jersey(ジャージー)島で、法定通貨を扱う仮想通貨プラットフォーム「Binance Jersey」を設立したと、バイナンス取引所が発表した。
欧・英トレーダーをターゲットにしている同取引所は、英ポンドとユーロに対してBTCやETHを取引できるという。
Binance Jersey、英・欧仮想通貨エコシステムを拡大へ
「欧州域内で法定通貨を使用した取引所市場の拡大は、欧州に新たな経済的機会や、ポンド・ユーロが共に心配されるBrexitの不確実性からの自由をもたらすだろう。より広い仮想通貨の普及を支援するための一環として、Binance Jerseyを通じてヨーロッパとイギリスにおける仮想通貨/法定通貨の橋渡しをしたい。」
今回の発表に関してこのように述べたのは、バイナンス取引所CFOであるウェイ・ツォウ氏。
Binance Jerseyがクリプト分野の銀行部門における同国の「競争優位性」を高めることになるだろう、と付け加えた。
政府が支援する経済開発機関Digital Jersey(デジタル・ジャージー)と協力し、ジャージー島で約40の仕事を作り出すことを目的としている同取引所は、Binance.comとは別の独立した組織であるものの、親会社と同じ技術で構築されているそうだ。
尚、Binance Jerseyでの取引は、KYCプロセスに従ってアカウントを開設した後、利用可能になるという。
バイナンスは仮想通貨に前向きなジャージー政府と昨年6月から提携しており、バイナンス取引所CEOであるチャンペン・ツァオ氏は同政府との協力に関して、以下のように述べている。
「主要通貨である英ポンドに基づいた地域経済と、イギリスと西ヨーロッパに近いことを踏まえると、ジャージー島との協力は地域経済に利益をもたらすだけでなく、ヨーロッパの他の地域への拡大のための強力な運営基盤を形成すると確信している。」
積極的にグローバル進出するバイナンス取引所の今年の取り組みに注目が集まる。
原典:Binance Targets EU, UK Traders With New Fiat-to-Crypto Exchange
ここまでの内容と考察
バイナンス取引所が、ジャージー島で法定通貨/仮想通貨ペアを扱う新たな取引所を設立したという、今回のニュース。
アフリカ諸国やマルタ島を始めとする仮想通貨に積極的な地域に参入していくことで有名なバイナンスですが、CEOであるツァオ氏は、以前から「全ての大陸に最低二つの法定通貨を取り扱う取引所を設立する」と公言しています。
また、比較的小さな国々を中心にパートナー提携を締結する主な理由として、以下のように発言していました。
「(小規模な国では)トップレベルの政府職員にアクセスでき、質問に対して直接的かつ効率的に答えてくれる…また、私たちが地域経済にもたらす投資に感謝する。」
このように、米国や日本のような先進国で仮想通貨エコシステムを拡大させるのではなく、規制面を考えた上で規模の小さい国から徐々にそれを促進していくというスタンスを取っているようですね。
仮想通貨市場全体を牽引するような企業とまで成長したバイナンス取引所ですが、果たしてこれからもトップであり続けられるでしょうか。
日本にまた戻ってきてくれるでしょうか。
今後も世界No.1取引所の動向に注目していきましょう!