クリプト市場の風向きが、気が付かない内に変わり始めていたのかもしれない。
スリル溢れる上昇が今月の初めに確認されてから、次の動きを見守る形となっている、現在のBTC市場。
最近では取引量も少しずつ増えてきているが、実は市場の変化は先月から始まっていたようだ。
仮想通貨市場のデータプロバイダCryptoCompareによると、法定通貨/仮想通貨ペアの取引量が減少傾向にある一方、仮想通貨同士の取引量は急激に増加しているという。
市場転換はいつ!?仮想通貨取引量には変化あり
今年2月と3月のクリプト取引所の取引量を比べると、仮想通貨ペアのみを提供する取引所の取引量が70%増加し、法定通貨と仮想通貨の交換を行う取引所の取引量は8%減少していたようだ。

これは3月の取引高の82%が仮想通貨同士の取引だったことを意味する。
また、取引量トップ15の取引所は、3月の月平均取引量が66%増加したという。
しかし、米ドルや日本円などの法定通貨とビットコインの取引量は減少傾向にあり、韓国ウォンとBTCペアだけが先月比でプラス(+ 41%)となった。
仮想通貨同士の取引量が増加しているという傾向に関して、一部の専門家はそれが市場心理が前向きになっていることを示すと見ているようだ。
例えば仮想通貨ファンドKR1の代表取締役であるドーナウ氏は、以前Cryptonews.comの取材に対して以下のように発言している。
「決定的なことは言えないが、市場心理が前向きな姿勢に変化する兆候は仮想通貨同士の経済で最初に見られるだろう。」
「年内1万ドル」はありえるか
現在のBTCの価格水準を踏まえた上で、一部の専門家は強気な発言をしている。
例えば、「ビットコインは新たなゴールド」と題されたフォーブス記事で金融サービス企業ADVFNのCEOであるクレム・チャンバーズ氏は、次のように述べた。

出典:On-Line PLC’s Clem Chambers: The new kid on the blockchain
「ビットコインの冬は終わり、価格は上がっている。唯一の問題はどれだけ上昇するかであり、現段階では6,000ドルは簡単な目標。年内に1万ドルに達するのもそれほど難しいものではない。」
同氏によると、BTCマイニングの報酬という「新しい供給」に対応し、市場がクラッシュしないことを確実にするために、仮想通貨エコシステムへ法定通貨が流入することが重要だという。
しかし、米ドルによって価値が担保された「Tether (ティッカー:USDT)」の最近の発行枚数の増加は「Dry Powder (直ぐに使用できるような資金)」の増加を意味するため、BTCには「明確に上向きな経路がある」と結論付けた。
また、同氏によると強気市場を触媒するのは仮想通貨市場へ流れる法定通貨の量だけではないそうだ。
BTCが「少なくとも米国では(投資家の)ゴールドへの興味をむさぼり始めた」と主張し、次のように続けた。
「世界的に見ればこの傾向は明確だ。ゴールドへの関心はテクノロジーがあまり浸透していない国から多いことを踏まえると、時間が経つにつれてビットコインと仮想通貨が資本逃避/リスク資産として重要になる。」
そして、BTCがゴールドの市場シェア20%を奪った場合、少なくとも価格は2万ドルに達すると付け加えた。
犯罪目的以外のビットコインのユースケースが主流メディアに取り上げらるようになった中、市場転換のタイミングに関して憶測が憶測を呼んでいる。
原典:
CryptoCompare’s March 2019 Exchange Review