新たな14社をメンバーに加えたBlockstream社が開発を手掛ける「リキッドネットワーク」を、ビットフィネック取引所が実装したことが明らかになった。
ビットコインのインフラ構築が快調に進んでいるようだ。
ネットワーク参加者間の素早く匿名なBTC取引を実現したことで注目されている、リキッドネットワーク。
「新しい時代の始まりだ」とBlockstream社CSOであるモウ氏がコメントするなど、将来性が見込まれている数少ないブロックチェーン製品の一つと言われている。
既に仮想通貨取引所、トレーディングデスク、金融機関を含める35機関がネットワークに参加しており、今回はDMM BitcoinやHuobiを始めとする取引所を含む14社を新たなメンバーとして迎えたようだ。
アービトラージにも期待高!リキッドネットワークの拡大
リキッドネットワークは、世界中の仮想通貨取引所と様々な機関を繋ぐ決済ネットワークで、高速で匿名性の高いビットコイン取引を参加者の間で可能にする。
また、BTCの第二層技術であるライトニングネットワークがマイクロペイメント専用に構築されている一方、リキッドネットワークはそれを補完するように「高価値」の移転に焦点を当てているという。

出典:https://blockstream.com/liquid/
BTC開発を手掛けるBlockstream社のCEOアダム・バック氏によると、既にビットフィネック取引所で開始されているリキッドネットワークを使用した「L-BTC」の入出金の決済時間はおよそ2〜3分だそうだ。
(L-BTCは、ビットコインと1:1で価値が裏打ちされたものであり、リキッドネットワーク内のみで使用される。)
これは、取引が承認されるのを確認するために平均30分ほど必要なビットコインのオンチェーンの取引と比較すると、大幅な改善と言えるだろう。
現時点では、リキッドネットワークを通じた取引は少数の取引プラットフォーム間に限られているが、BitMEXやHuobiのような大手取引所がネットワークに参加したことにより、ビットコインのアービトラージに変化が生まれると予想されている。
ビットフィネック取引所は、同技術の利点について以下のように説明した。
トレーダーは、価格の差から恩恵を受けるために、取引所間でビットコインとUSDTを迅速に循環できる。そのため、主要な取引ペアの取引所間のスプレッドが減少する。
また、前述にあった「テザー(USDT)」や「ステイブリ― (USDS)」などのステーブルコインもリキッドネットワーク上で発行されるようだ。
リキッドやライトニングネットワークのようなインフラ構築が進捗することにより、まだまだ市場規模の小さいビットコインがより頻繁にトレードされるようになるかもしれない。